タイ国際航空B777-300ERファーストクラス搭乗記(バンコク〜東京/成田)

海外旅行

2022年12月、バンコク旅行の帰りに、タイ国際航空(TG)のファーストクラスに搭乗しました。

今回はバンコク・スワンナプーム空港から成田空港へのTG676便。朝8:00発のフライトなので、6時半頃空港に到着しました。早朝便だと2時間前にチェックイン・・・したいとこですが、いつも通り早起きは叶わず。早朝にも関わらず、空港はたくさんの人で賑わっています。

今回利用するのはロイヤルファーストチェックイン。TGのファーストクラス専用エリアで、空港に入って一番左奥側に位置しています。入口にスタッフの方がいるので、声をかければスムーズなエスコート。当然チェックインを立って待つなんてことはありません。椅子にかけて、パスポートを渡したらスマートに手続きをしてくださいました。ストレスフリー。

早朝だからか他のゲストも居ませんし、なんとなくソワソワしスマホをポチポチ。あっという間にチケットと手荷物控えを渡され、セキュリティチェックと出国審査へ案内されます。

ここからがファーストクラスの真骨頂かも。すぐそばにセキュリティチェック・出国審査がありまして、それも専用レーンなので動線が驚くほどスムーズなのです。プロセスは単独で行う必要がありますが、前後で同じスタッフが荷物を持ち同行してくれるので、なんのストレスもありません。もちろん迷うこともありません。

エスカレーターを降りるとそこはタイ航空ロイヤルオーキッドラウンジ。受付で搭乗券とパスポートを提示しました。

ファーストクラスのラウンジは、入って右手です。横長のラウンジの、一番奥がそうです。足取り軽く奥まで進むと、ようやくファーストクラスラウンジエリア。途中まではお客さんがたくさん居ましたが、ファーストクラスエリアになるとガラッと雰囲気が変わります。エリアがファーストクラス用に区切られているだけで同じ空間を共有しているはずなのですが、圧倒的に静かでゆったりとした空気が流れています。

それもそう、広い空間はほぼ貸切。レストランエリア・リラックスエリア・個室と大きく3つに分かれています。広い空間にゲストは自分含め3名だけ。「搭乗のタイミングで迎えにくるのでラウンジでゆっくりしててね」とのこと。

奥から入口方向を覗くと、こんな感じ。

席につくなりウェルカムドリンクがサーブされました。

早朝でホテルの朝食を食べられなかった方もご安心ください。

もちろん、ファーストクラスラウンジでも食事が食べられます。ほとんどの場合、ラウンジといえばビュッフェですが、ここはオーダー式。期待値があがります。

ドリンクはシャンパンがありました。コンコース(?)を眺めながらの飲酒は気分が高まります。Fラウンジだからというわけではありませんが、空港ほど無条件に高揚感が高まる場所はありません。

朝食がわりに頼んだのは揚げパンにワンタンスープ。揚げパンは「シグネチャー」メニューのPATONGKO。中国でいう油条です。揚げパンに添えられていたのは、練乳に紫芋のクリーム。甘党ホイホイメニュー。

軽く食べるつもりでしたが、思いの外食欲が刺激されてしまいました。追加オーダーで頼んだのはシュリンプケーキにティラミス。前者は海老しんじょうのフライというところでしょうか。ファーストクラスラウンジということで期待が高まっていたのですが、見た目通り、日本のファミレスで出てきそうな味です。ティラミスもこれまた見た目通り。

正直なところ、食事はイマイチな感想に終わりました。TG成田・関空行きのフライトは早朝便ですが、それに伴いオーダーできるメニューも朝食仕様。ゴリゴリの観光客なのでタイ料理が食べたかったのですが、時間帯的に選択肢はありませんでしたし、かといってオーダーできるものが特別美味しいかと言われるとそんなこともなく。

これだけ客が少ないと、それだけのために準備するのは難しいだろうというのが率直な感想です。ここはおつまみに留め、朝シャンがベストな時間の使い方かもしれません。ていうか、ラウンジってそういうものですしね。スタッフの方はとても感じが良いのが救いでした。

自由に食べられるフードも少しだけですがありました。

ホテルの朝食でもビュッフェ派とオーダー派にわかれますが私はビュッフェ派。食事そのものの楽しみも大事ですが、選ぶことに喜びを覚えます。貧乏性。。。

リラックスエリアに移動し、搭乗時間を待つ。TGのファーストクラスは、搭乗が近づくとスタッフが迎えに来てくれるサービス付きです。先ほどラウンジに案内されたタイミングで「後で迎えに来るからね〜」と聞いていたのですが、時間になってもスタッフは来ません。

まあそんなこともあるかな〜と思い、荷物をまとめているとさすがFクラスのスタッフ。よく見ています。「ゲートまで5分で着くから大丈夫だよ、待ってて」

その言葉のとおり待っていると、予定の時刻を5分ほど過ぎてお迎えが来ました。スタッフの先導で搭乗ゲートへ向かいます。

ラウンジスタッフ曰く、ゲートまで5分とのことでしたが実際は1分もかからず、ラウンジの目の前でした。たくさんのお客さんが搭乗の列をなしていますが、今回はごぼう抜き。めちゃくちゃ快適です。いつもこうならいいのにな〜。

旅の恥はかき捨て、恥ずかしくも前のめりに、一番乗りで搭乗です。

機内に入ると、男性CAさんがニッコリ笑顔でお出迎え。

座席に案内されると「これがファーストクラスか〜」感が高まりますね!今回は1Kで窓側です。

仕切りをあげたり、パーテーションを締めることで完全に個室にできる仕様というわけではないのですが、あまりに余裕のある空間なので、座席というよりも小部屋という言葉がしっくり来ます。もちろんフルラットにもなりますしね。

私は身長が180cmほどあり大きい方ですが、足は余裕でフットレストに乗りません。普段エコノミークラスで前の座席に膝があたっているのは夢だった?否、多分こっちのほうが夢・・

搭乗するとおしぼりと飲み物のサービス。お水をもらいましたが、シャンパンも振る舞われています。

金色のボックスはウェルカムチョコレート。しっかり甘めで口溶けがよかった。

ファーストクラスは1−2−1の構成が2列のみの合計8席。この日は満席です。お手伝いさん付きのご家族も居て、ゴリゴリFクラスのターゲットという感じ。どうみても一般人には見えないオーラの方で、成田到着後も乗り継いでいかれました。

一人当たり、窓3〜4枚分の長さが割り当てられています。

パカパカ開閉できる部分が多過ぎて見つけられませんでしたが、ようやくコントローラーを発見。忘れ物をしそうなので、荷物は分散させることなく、1箇所にまとめて収納。

今回、使うことはありませんでしたがヘッドホンはAKG。ウィーンの音響メーカーです。

思い出を噛み締めながら、離陸です。思い出といっても、ほぼ食べ物とお酒だけですが・・・

久々のバンコクは、以前訪れた時とだいぶ印象が変わりました。物価も上がり(日本が下がり?)、日本にとって以前のタイではないことを実感しました。もちろん、タイから見える日本も変化しているということでしょう。寂しい、侘しい気持ちです。

お手洗いはエコノミークラスとそう変わった印象はありません。気持ち広い気がするのと、ナフキンがお花のようにデコレートされています。

ソープに、ボディミルクのほかに変わったものとしては香水がありました。初めてお見かけしましたが、PAYOT(パイヨ)というフランスメーカーらしい。

小部屋に戻ると、フードサービスがはじまるようでギャレーが忙しない雰囲気。離陸前に食事のチョイスとドリンクを聞かれていました。はじめに出されたシャンパンを一口。まあ最高に美味しい!高揚した気分がそう思わせるのかもしれません。機内で鈍くなった舌でも、フレッシュさを感じる一杯です。甘くなく、それでいてキレがあります。まさにTGのキャッチコピーである Smooth as silk、心地よさを感じる一杯です!

まずはスターターにフルーツ盛り合わせ。ドラゴンフルーツを飾り切りを器に、これまたカービングされたリンゴやオレンジが華やかに盛り付けられています。ちなみにドラゴンフルーツは器としてだけの出演で、可食部はありませんでした。きっとエコノミーのミールにいっている気がします。

とても美しい一皿ですが、ファーストだからといってフルーツの味が変わるわけではありませんでした(笑)

パンはふにゃふにゃで柔らかいやつ。バターが美味しかったので、たっぷりつけて食べました。フルーツもパンもクオリティはひとまず置いておいて、磁器にカトラリー、素直に美しいですし、贅沢な気持ちになります。

お次はグラノーラ入りのヨーグルト。マンゴーソースをチョイス。印象はなく、食事に対する期待値を下げる心持ちになってきました、、、。

お次はメインのお粥です。洋食・和食・タイ料理から選べるところ、タイ料理をチョイスしました。これがとてもよかった。プレーンのお粥に、しっかり味のついたおかずが合計5品。

左上からそれぞれ、キャベツを炊いたもの、白身魚の焼き物(赤魚?)、ロブスターの辛煮、牛肉の甘煮。

特にキャベツの炊いたん(土井善晴先生風に言ってみました!)は、タイらしくしっかりと辛めでピリッと。他のものもめちゃくちゃつまみになるので、酒飲みにはたまりません。ロブスターもこのような調理でサラッと出てくるのは、さすがのファーストクラスです。ちょっと下がっていた気分が急上昇。

もう一つ別皿なのは鰹のタタキ的な一皿。唐辛子やパクチーが乗っていますが、日本食として出されても違和感がありません。厚切りの身をこれまた美味しく頂きまして、シャンパンがめちゃくちゃ進みます。おかわりください!

恰幅の良い男性インフライトマネージャーがボトルと共に注いでくれました。なんとローランペリエのフラッグシップ、グランシェクルです。ドンペリより嬉しい。たまにキュヴェは飲みますが、グランシェクルは初めてでした。食事が終わると、機内は消灯、お昼寝タイム。

余談ですが、機内消灯のルールがイマイチわかりません。タイと日本の時差は、たった2時間、どちらかが夜なわけでもないのになぜ消灯するのか・・・長距離路線で現地時刻に合わせてというのならわかるのですが。なんてことを考えながら、せっかくなのでフルフラットにして、瞼を閉じて寝ようとしますが眠れません。今朝の出発が早かったのですが、その分寝坊が怖くて昨晩めちゃくちゃ早く就寝したのです。

ということで映画鑑賞。

2、3時間ほど経過したでしょうか。再びギャレーで食事を準備する音が聞こえてきます。今回は洋食をチョイスしました。

結構なボリュームで驚きました。柔らかく、それでいてもっちりとした食感からは鴨の繊細な肉質を感じます。付け合わせとのバランスも抜群。初見で食べ切れるか心配になりましたが、杞憂に終わりました。

デザートはタイの伝統菓子。ルークチュップ(?)。

見た目がとても華やかでワクワクします。お味は和菓子とも遠くない。日本で例えると練り切りですかね。しっかり目な甘みにノックアウトされる方もいそうですが、甘党なのでとても美味しく食べられました。食べるのがもったいなかった。タイも日本も、同じアジアだな〜としみじみ。

それにしても6時間のフライトでしっかりとした食事が2度もでるとは。動いていないので、フードファイト気分です。

そしてこれでもか!とトドメのチョコレートが配られる。

こちらはお土産に持ち帰りました。タイのクラフトチョコレート、「KANVELA」。

調べると2018年創業の新しいブランドでした。

HOME | KANVELA CHOCOLATE

そんなこんなで定刻より5分ほど早く、成田空港に到着。成田空港の規制で、乗り継ぎ客が先に降機し、その後しばらくたってようやく入国者が降りられます。搭乗もでしたが、帰国時も最初に降りられて、はじめての光景が見られまして、ちょっぴり嬉しかったです。

チョコレートだけでなくポーチも持ち帰りました。ポルシェデザインのしっかりした入れ物には、アメニティがどっさり。変わったものでは香水がありましたので、試してみたいと思います。

人生初のファーストクラス。最近は設定のない機材が多いと聞きますが、たまたま乗ることができてラッキーでした。期待値も高かったですが、しっかりと応えてくれたのは流石のタイ国際航空。今後の進化にも期待です!