エチオピア航空ビジネスクラス搭乗記(東京/成田~アディスアベバ~ダカール)

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エチオピアと聞くと多くの日本人にとって馴染みの薄い国ですが、成田から就航しています。2023年の夏休み、エチオピア航空を利用して夏休み旅行に出かけてきました。

2023年8月時点で日本に就航しているアフリカ系旅行会社は1社のみ。それがエチオピア航空です。(ちなみに9月からはエジプト航空が復活予定)。

日本人にとって馴染みの薄い国のエアラインが成田空港に就航しているということで、夏休みの旅行に利用してきました。エチオピア航空はイギリス・SKYTRAX社による評価で4つ星を獲得しています。日本オフィスの前を通るたび大きく掲げられた看板が印象的で、アフリカのプライドを感じます。

エチオピア航空はスターアライアンスなので、ビジネスクラスの搭乗客およびスタアラゴールドメンバーの方はラウンジを利用可能です。チェックインカウンターではANAラウンジを勧められましたが、混雑していたので離脱。ユナイテッド航空ラウンジで搭乗までゆっくりしました。

成田 ~ 仁川 ~ アディスアベバ    /ET673便

時間になりました。

座席配置は2−2−2。成田発アディスアベバ行き。ですが、直行便ではなく、ソウル・仁川を経由します。仁川では一度飛行機から降機し、手荷物検査を通らなきゃいけないので少々面倒。窓側だと隣の席の人の足を跨がないといけないので、家族や友達同士におすすめ。そのうち窓側は足回りが狭く、通路側の方が物理的にも寛げました。

ウェルカムドリンクはオレンジジュースorシャンパン。もちろんシャンパンを頂きました。Premier Cruという銘柄で初めて口にしました。エチオピア航空はワインが豊富なようで、シャンパンの他に白3種(シャルドネやボッシェンダルなど)、赤3種(メルローとシラーズ・・)その他にも甘口ワインなど、かなりの充実具合です。もちろんエチオピアワインもあるので、目的地でなくとも試してみたいところです。

お楽しみの機内食。韓国で搭載されたと思しきキムチやコチュジャンなどちょっと変わった調味料もありました。頼んだのはビーフ。グーラッシュにパスタです。機内食らしく濃いめの味だったので、お酒が進みました。成田~ソウルの短距離と考えると結構な量。

・・・でも本当は海老が食べたかったのですが(売り切れと言われ涙・・・)!

どの路線(合計8区間飛びました)を乗ってもPremier Cruというシャンパンでしたが、なかなか美味しい。ちゃんと辛口ですし、それでいて新鮮な果実味がしっかりと感じられました。

あっという間に仁川・ソウルです。飛行機から降りたらアディスアベバ行きのチケットが準備されているので、乗継の方はしっかりともらいましょう。この後トランジットに進み、手荷物検査を経て搭乗口に。

昼とは打って変わり、夜の仁川は静かです。ラウンジに入ることもできますが、そう時間がないので搭乗口へ直行しました。

仁川からの乗客で溢れかえる搭乗口。成田からの乗客は日本人・外国人ともにかなり少なめでした。そのうちの結構な割合が韓国を目的地にしているでしょうし、アディスアベバまでの客はかなり少ないはず。純粋な日本⇔エチオピアの直行便は成立しなさそうです。今は円安だからと言われますが、それだけじゃないでしょうし、ちょっと暗い気持ちになります。

韓国は今からアフリカ旅行!的なファミリーや友人グループがたくさんで、案外レジャー路線なのかもしれません。

さて、再搭乗します。一度飛行機を離れたのに元の座席へ戻るのは初めての経験で変な感じ。離陸すると、やはりすぐに機内食。

前菜はサラダに、スモークサーモン、チキン。

メインはシタビラメのソテー、ホワイトソースがけをチョイス。もちろんチキンやビーフもありました。

食後はワゴンでチーズやフルーツ、ケーキが運ばれてきて、デザートワインも。なかなかやりますね、エチオピア航空。

このガナッシュのケーキがとても美味しかった。食感も味も良かったです。

ひと眠りして朝食はパンケーキ。

朝食はパンケーキ。他にオムレツも選べました。渡されたメニューには韓国料理があったのでそれを頼むと搭載してないと言われました。メニューにあるからといって必ず用意されているわけではないようです。他の路線でも同じことがあったのでがっかりしないよう、あまり期待しないようにしましょう。

アディスアベバ ~ バマコ ~ ダカール  /ET909便

バマコ経由ダカール行、ET909は6時間30分のフライト。優先搭乗はありませんが、チケットを見せると割り込ませてくれました。我先にと搭乗口には人が群がり一瞬怯みますが気にしてはいけません。ここはアフリカです!

沖止めのためバスで移動ですが、ビジネス・エコノミーの区分なしで仲良く移動です。

B777-200LR便、古そうな機材で特にテンションはあがらなかったのですが、乗ってみると案外いいじゃないかという感想です!2-3-2配置なので真ん中の席になると窮屈かもしれませんが、窓際に座ったところかなり広めな印象でした。最近のボックス型やスタッガード型は空間をプライベートにするためやたらと仕切りがありますが、この機材は省かれているので座席間隔が広いです。

また座席は上に高くない分、広々とした空間に感じられ、開放感があるのも◎。快適さの大きな要素です。

もちろんウェルカムドリンクが振舞われました。片道30時間なのでお酒を飲むくらいしかすることがありません(言い訳!)。種類は成田便と同じPremier Cru。成田~アディスとは打って変わり、乗客のうち東洋人は自分だけ。他はほぼアフリカ系の素敵な民族衣装を着た方々で、急にエキゾチックな雰囲気に。そういえばCAの制服も、妖精のようで素敵でした。全員ではないけど、チーフパーサーとかなのだろうか。

もちろん座席はリモコンでフルフラット可。

日本で身長は高いほうですが、シートを倒さないと足がフットレストに届きません。いや・・・足が短いだけ?かもしれませんが、そのくらいの余裕がありました。隣のインド人は届いていたのでアーリア人との骨格差を感じます。こちらの方は途中のバマコまで出張らしいけど、全く怖気づく様子もなくタフですね。中国人もそうなんだろうけど、そりゃ積極的なリスクをとれる人たちには負けますね。一方で初めての西アフリカを前に、私はドキドキしています。フットレストの下は収納なのでリュックを入れました。

そういえば、ブランケットの使い勝手がとてもよかったです。

スターターはハニーマスタードチキン。急にアフリカを感じるテイスト。

お次は!エチオピアの伝統料理、インジェラです!五種類の煮込んだ?おかずとともにワゴンで運ばれてきました。インジェラは、雑巾のような香りがして美味しくない・・・と何度も目にしたことがあったのでどんなものなんだろうととても興味深く、楽しみにしていました。テフという穀物が材料のインジェラ。発酵させたものを焼くそう。CAさんは手で食べるんだよと笑って言いながら、ウェットティッシュをたくさんくれました(笑)

ワゴンの上の方のおかずを選んで盛り付けてもらうようですが、よくわからなかったので豪華に全部のせです。感想は・・・美味しい!美食という感じではありませんが、うま味がしっかりと感じられます。アフリカ大陸内のフライトミールで最も印象に残り、最も美味しかった。見た目からは想像できない酸味と香りは個性がありましたが、個人的には気になるほどではありませんでした。万人受けするかというとそんなことはないだろうけど、せっかくの旅行なので挑戦してみてください。

ちなみに復路のセネガル〜アディス〜成田では全く出なかったので、アディスアベバから出発するアフリカ大陸路線でのみ出るのかもしれません。アジア人には受けないからかな?

ビーフフィレにペンネ。インジェラの時点で満腹だったのでもったいないけど残してしまいました。お肉にはしっかりと火が通っていて食感はモサモサ ・・

ケーキも頂きましたがこれまた大味。1億%見た目通りです。アディスアベバで搭載した機内食だと思いますが、ここまで韓国搭載と違うとは・・・でもインジェラはとてもよかった。

エチオピアコーヒーは文句ない美味しさ。

エンターテイメントを見ているとあっという間にマリはバマコに着陸。UN機がたくさん駐機していたり、緑に飲み込まれつつある航空機が放置されていたりとなかなか興味深いです。空からの景色もアフリカらしさマックスで大興奮。街の作りや敷地の設計などが他では見たことのないユニークさ。

バマコでほとんどの乗客が降りていきました。ソウル乗継とはことなり、ダカール行の乗客はそのまま機内で待機。普段見ることのないバタバタした職員の出入りや機内清掃の様子も面白かった。

機材のメンテナンスはルーズで、リクライニングしたシートがそのままだったりします。大らかですねえ。国民性の違いも楽しいポイントです。安全性が心配になったりみしますが、一旦忘れましょう。

小一時間待って、ダカール行きが離陸。バマコでの乗客はほとんどいませんでした。

最後の食事はミートボールにサモサ、そしてコロッケにあんかけ。インドのストリートフード風。特にコメントはなく・・・

片道約30時間かけてダカール着。バゲージクレームには持ち主が居ない荷物がたくさんあり、恐怖が煽られます・・・これ全部ロスバゲなんだろうか・・・

成田でプライオリティタグをつけてもらった荷物が全然出てこず心底焦りましたが、なんとか出てきてホッ。ダウンタウンへ向かいました。

初めてエチオピア航空を乗るにあたりいろんなブログを拝見し賛否両論でしたが、個人的な感想としては、「やるじゃんエチオピア航空」です。

・機内食は韓国搭載以外は美味しくない(インジェラはなかなか美味しい)

・エキゾチックなCAはテキパキ働いて好印象。笑顔の少ない人もいるが、気にはならず(お国柄?)

・日系の濃厚なサービスよりこざっぱりしていて好ましい

・整備がちょっと甘いのでその席に当たると心配

・お酒の種類が豊富で楽しい

・この水準でアフリカ大陸を広範囲カバーしているのは本当にありがたい ← 1番

といったところで、アジア系エアラインと同じ路線の場合、コスト面以外の理由で積極的に選ぶ理由はありませんが、それ以外ではとても貴重かつ有力な選択肢なのは間違いないです。実際旅行中にアフリカ系航空会社、エアセネガルやトランスエアに乗りましたが色々と強烈でエチオピア航空の素晴らしさを噛み締めました。(いい思い出になりました)

アフリカ方面への旅行を検討している方は期待をせず、ぜひお試しください!きっとエチオピア航空の掲げる『PROUD TO BE 4STARS AIRLINES』というのがしっくり来ることと思います。(5つ星ではないのがポイント。)