パークハイアット京都(Park Hyatt Kyoto)宿泊記

ホテルステイ

2019年10月。日本で2軒目のパークハイアットがオープンしました。その場所は京都、世界に誇る文化都市です。その京都という土地でも、パークハイアットが選んだのは世界遺産・清水寺へと繋がる京都一の観光地、二寧坂に面したロケーション。

初めて場所を聞いた時は、「ここにホテル?!」と驚嘆、工事中も俄に信じがたかったのですが、既に開業2周年を迎えたようで。オーナーはかの有名な料亭・京大和。敷地内の奥で、ひっそりと営業をしています。

これまで何度か予約をしてはいたものの、コロナの影響で強制キャンセルを食らったり、オープンすぐに訪問した知り合いが酷評していたり(開業直後は仕方ないですよね)と、なんとなくタイミングを逃しておりましたが、長い緊急事態宣言がようやく終焉。やっと大手を振って旅行ができるようになったので、念願かなって訪問することができました!

チェックイン

訪問したのは10月下旬。天気は快晴。ド平日に連休をとったので気分も上々です。もちろんその分の皺寄せがあるのですけどね・・

エントランスからロビーへのアプローチは、日本庭園が設けられています。手水鉢も。

チェックインはロビーラウンジにて。パークハイアット京都では、このスペースを「ザ リビングルーム」と呼ぶそう。実はこちらのPH京都、客室数が70しかないそうです。一方でパークハイアット東京はどれほどかと調べてみると、177室。京都は小規模な分、アットホームに過ごせる空間を、ということらしいです。

さてチェックインを、と思っていたらこちらはウェルカムドリンクがあるそうで、リストにはシャンパンからジュースまでずらっと。京都麦酒とやらを頂いて良い気分です〜。織部の小皿に入ったものはナッツ。これまた黒胡椒やガーリックがしっかりと効いた味で、おかわりしたいくらい美味しかった。

他の席では上品なマダムたちがヌン活を楽しんでいらっしゃいました。優雅〜。

ゆったりとチェックインを済ませたあとは、お部屋までご案内いただきました。東京の高級ホテルは、緊急事態宣言が明けたあとでもいまだに格安レートな一方、京都の高級ホテルは軒並み強気のお値段。もちろんこちらパークハイアット京都も例外ではありません。国内需要だけで稼働が高いのかな?と尋ねるも、そうでもなさそうでした。

消費者目線ではもう少し安価だと嬉しいですが、安易にレートを下げすぎると客層や雰囲気がガラッと変わってしまうので、ホテル側も苦心しているところなのでしょう。

パークハイアット京都は山の傾斜を利用して建っていること、また京都の景観規制により高さはなく、そのぶん奥まった作り。部屋への案内では、奥へとズンズン進んでいくのでちょっと不思議な感覚です。

エレベーターホールには障子。

ルームツアー

部屋に入ると、タモ材でしょうか、温かみがありほっとする空間。写真には収めていませんが収納は小ぶり・・・と思いましたが、複数のクローゼットがあるタイプで結果充分でした。コートとそれ以外が分けて収納できるのが案外よかった。

テーブルの上にはなにやらワクワクするシルエットが・・それは後で確認することにして。お部屋は45平米とラグジュアリーホテルとしては平均的な広さ。ただなんとなく狭く感じたのは、ソファが入っているからでしょうか。

お庭側は全面ガラス。上部には庇がついており、そのまた上にはガラス窓が。木目を基調とした内装は多くのホテルでありますが、頭ひとつ抜け出ているスタイリッシュ感。そう、インテリア設計はトニーチーなのです。

トニーチーといえば、アンダーズ東京やパークハイアット上海等、数多くのラグジュアリーホテルを手がけています。

お部屋からは日本庭園も臨めます。左奥の方は通り道になっているものの気になる程ではありません。

目の前は京大和の建物ドーンなので、多少の圧迫感を感じるかも。でも距離と高さがあるのでまだ大丈夫かな。ブログでよく見かける壁ビューは、なるべく縁がないことを願います・・。

レザー貼りのサイドテーブルの中にはディレクトリーやインルームダイニングのメニューが収納されていました。

窓とは逆側のサイドテーブルにはリモコン類と、BOSEのスピーカー。デザインのいいスピーカーはたくさんあるけれど、結局のこのBOSEくんが一番使いやすいように思います。Bluetoothがうまく繋がらない時のもどかしさってストレスにも感じるので・・・。

今度はバスルーム。

洗面台はマーブルのダブルシンク。アメニティはLE LABO。

ドライヤーやアメニティ。は背面のチェストに。

漆塗り風な箱の中に収納されています。パーククラスで樹脂製は・・という気もしますが、漆の傷つきやすさや、水回りで使うことを考えるとこんなもんなのでしょう。櫛は木製でパークハイアット京都の刻印入り。

紙でできた巾着袋の中には現代の必需品、マスクとサニタイザー。

お風呂場は洗い場付きで、迫力のあるマーブル模様。でも少し大理石とは違うような印象を受けますが、なんの石なのだろう。宿泊前に写真で見た時は派手すぎる印象を受けましたが、これは完全にアリです。

ターンダウンの後には入浴剤とバスソルトも登場。入浴剤は酒粕のもの。正直あまり好みではありませんでしたが、自分では選ばないようなものが体験できるのは楽しかったです。2泊目は両方ともバスソルトと、一応使い分けをしているのかもしれません。

そして何気に感動したのが、洗面台の下の竹籠。バスタオル入れとして使われていますが、間接照明が当たるときれいな模様が映し出されるのです。竹籠自体も相当素敵なものですが、ここまで計算して設計するのは頭が下がります。

もちろんシンクはダブルですが、横幅が狭め。2人で持参物が多い方だと少々窮屈な印象です。

ミニバーもこれまた贅沢なレザー貼り。キラキラしてるけど下品にならないのはさすがパークハイアットもといトニーチーというところでしょうか。

中心にあるお水がコンプリメンタリー・黄桜の「伏水」。ビンのお水で贅沢〜なんて思ったのは最初だけ、大量にお水を飲む私には水が足りず、水道水をひねって飲んでいました。もちろんお願いすれば頂けるとは思いますが・・

コーヒーカップやカトラリーにネスプレッソカプセル。右下に2個だけ置かれています。ピッタリ収まる4個だと少なすぎるしという苦肉の策配置?

カプセルの横の蓋物の中にはTea Forteの紅茶。これ、かわいくて大好きです。6種類あれば滞在中充分楽しめますね。

グラス類も大充実。

最近のラグジュアリーホテルの冷蔵庫では主流となっている引き出し方式。個人的には自宅にあるような扉型の方が好みです。

さて、部屋に戻りテーブルの上を確認。そして立派なシャインマスカットが一房!なかなかいいお値段するのものをドカっといただくのは嬉しい。でもおなかに溜まるから食事が・・・なんて贅沢なことを言いながら手がとまりません。

ボンボンにケーキ、マカロン。京都らしく抹茶のチョコレートもありました。

そしてお酒はシャンパンはルイナール。ウェルカムドリンクのビールに続く2杯目として美味しく乾杯しました。

目にも口にも美味しい品々、わざわざ京都に来て贅沢してる〜と上機嫌です。

お次は館内ツアーです。

施設内探索

宿泊棟には、ちょっとしたライブラリーがありました。テーマ別に書籍が区分されており、静かな空間で読書を楽しむことができます。

こちらにも部屋と同じ伏水。飲みたくてもここで1本飲むのはちょっと厳しいような・・残すのは気が引けるので、小ぶりなサイズがあればいいと思いました。

お庭には、立派な柘榴の実が。小さい頃、近所の団地の柘榴を勝手に取って食べていたのを思い出します。

今回宿泊した奥の宿泊棟には小さなライブラリーがありますが、ロビーのある棟には宿泊者専用ラウンジがあります。こちらは外出時の通り道。ジムやレストランに行く時にも通ります。

静かなラウンジからは、京大和のお庭。奥の方に駐車場も見えるのですが、不思議と気になりません。宿泊するまでパークハイアット京都はモダンでただただ新しいというイメージを持っていました。情緒がないというか、余韻がないというか・・。が、それはいい意味で裏切られたような気がします。きっと京大和の老舗の貫禄によるものでしょう。

ロビー棟。4階にはパークハイアット京都のシグネチャーレストランの「八坂」、そしてバー「琥珀」があります。今回は外食をしたため利用しなかったのですが、ちょっと立ち寄り。

これは価値のある眺めです!京都ということもあり視点は高くないものの、八坂の塔を中景にした京都市街が一望できます。

左側は鉄板焼きの八坂。カウンターのみ。八坂の塔を眺めながらの食事は格別だと思います・・!

フィットネス&バスハウス

エレベーターで3階へ。受付があるので、一言断って見学をさせていただきました。2021年10月時点では、フィットネスおよびバスハウスの利用は予約制です。

受付を抜け、奥に進むと有酸素系マシン。

もはや禅のための空間のような・・・

ウェイト系のエリアも充実。かなり広々としています〜。

日本国内どこを探しても、障子に囲まれた、和風フィットネスなんて無いですよね。外国の方は大喜びだと思います。日本人の私もかなり楽しかった。

脱衣所はバスハウスのサイズを考えると充分な広さがありました。

湯船は2箇所、右がジャグジー左が水風呂。お部屋と同じく、マーブル模様の天然石。青く照らされたライティングが綺麗。

洗い場は線対象に左右2箇所。レインシャワーはもちろんボディシャワーもあり!

サウナは通常のドライサウナと、

ミストサウナ。どちらも小さいので、2名入るとギュウギュウです。

サウナの後は水風呂で整うこともできますよ〜。サ活の人にはたまんないでしょうね。

脱衣所にはスキンケアグッズもあるので安心。化粧水とボディミルク。京都発のオーガニックスキンケアブランド、KOTOSHINAというメーカー、だけどメイドインフランス。なんのこっちゃというかんじですが、とても気に入ったのでフィットネスの受付で尋ねると購入可能とのこと。自分へのお土産に購入しました。

フィットネスと同様、バスハウスもこの時は予約制。おそらく2時間区切りの管理をしているようで、90分の利用までということでした。チェックイン後に予約をしようとしたところ、平日にも関わらずかなり予約が入っていて希望の時間にはとれず・・。小さな空間なのでそりゃそうだよね〜なんてことを言いながら余裕を持って計画をたてることをお勧めします。フィットネスはかなり余裕がある様子でした。

夕暮れ時の夜景。パークハイアットは、京都随一の夜景スポットかもしれません。それも宿泊者(とレストラン利用者)だけの特権です!

ただ今回は館内で夕食はとらず。

夕食を終えて戻ってきたホテルはとても素敵でした。昼間は観光客でごった返す二寧坂も、この時間になると閑静でしっとりとした美しさです。

レストランフロアまで上がって、夜景を見るのを忘れないでくださいね。

毎日部屋に戻ると、ダンデライオンのチョコレートに折り紙のカエル。ほっこりしますね。京都にもダンデライオンチョコレートがあるのか、と調べてみると、残念ながら2020年に閉店していました。

朝食

さて、パークハイアット京都での朝食。

会場は二寧坂に面したKYOTO BISTROで食べられますが、今回はだらしなく食べたかったためインルームダイニングを選択。ちなみにザリビングルームでも食べられるらしい(未確認)。

連泊する時は和・洋をそれぞれ選ぶことが多いですが、今回ばかりは2日連続の和朝食。そう、パークハイアット京都の和朝食は老舗料亭「京大和」提供なのです。そして1日30食限定、予約は必須でございます。

朝食は予約した時間ピッタリに到着。いつも思うけど、多くの人が30分区切りで予約すると思うので、準備・配膳する方は大変ですよね。身支度をしているうちにきれいに配膳完了。

<1泊目>

ザ・理想的で美しい朝食!

二段重で供される朝食は、品数をある程度用意して・・・なんてものではありません。それぞれが非常に丁寧に作られているのが伝わってきます。これらの料理を一皿ずつだせばあら不思議、コースとして成立するんじゃないかと思うレベル。流石にそれは言い過ぎかな?でも、そうでもおかしくない繊細さ。旬菜からはじまり焼き物、煮物、お漬物…どれをとっても丁寧に作り込まれています。

和朝食の基本となるのは白米。つやつやでほどよくもっちりとしたお米は主張しすぎることはなく、それでいてお料理の味をしっかりと引き立てます。進みすぎて足りなくなっちゃうのが難点。献立の品々は、京料理らしい繊細かつ深みのある味わい。煮物から漬物に至るまで、しっかりと噛み締めたくなる味わいの豊かさの連続です。朝食から菊花かぶだなんて、ほかのラグジュアリーホテルの和朝食でも見かけないのではないでしょうか。

<2泊目>

1泊目とは献立を変えてくれていました。焼き物は銀鱈(美味しい!)。そして何気ない、さつまいものレモン煮(と書くと急に出るクックパッド感)の心地よい香りと、シャキっとしたさつまいもの滋味がかなり印象に残ってます。

早起きの方なら朝食をおかずに、美味しいシャンパンが飲めること間違いなしです。あるいは純米吟醸か。そのあとフィットネスで汗を流し、サ活なんてしたら最高かも。次の訪問でも、きっと和朝食を選びます。

【パーク ハイアット 京都】の空室状況を確認する
パーク ハイアット 京都 東山の中心にある、京の歴史と現代のエレガンスが癒合した和の癒し空間

今回の京都訪問での滞在は天気に恵まれ、気持ちの良い日々。日本庭園を眺めながら、静寂な時を過ごしたパークハイアット京都。和と洋、伝統と今を繋いだ空間で、リラックスした時を過ごすことができました。東山の特別な立地で、新しい京都の滞在を提案するラグジュアリーな雰囲気のホテルは、パークハイアットの名に恥じない、素敵な空間でした。