全米で最も住みやすいと言われている街「ポートランド」。都市でありながらも自然に溢れ、かつストリートカルチャーが息づくクリエイティブな街として名を馳せています。
・・・なんて完全な伝聞ですが、ここ数年でずいぶんとポピュラーな街として耳にするようになりました。以前名古屋に仕事で住んでいたとき、毎朝のように聞いていたZIP FMの「MORNING CHARGE」。そのDJであった小林拓一郎、通称コバタクさんが定期的にポートランドツアーを開催していたこともあり、個人的には非常に気になる、いや憧れの地でもあります。
そんなポートランドを本拠地とする「エースホテル」が京都にオープンしました(発祥はシアトルらしいですが)。時は2020年6月とコロナ禍の真っ只中でしたが、各方面からの高い評価を耳にします。そんなホテルに宿泊をしてきました。

いつのまにか恒例行事となった、1月の京都。新幹線で京都に着いた後は、地下鉄でホテルへ向かいます。最寄駅は、烏丸御池。
電車から降りて5分ほどでしょうか、エースホテルに到着です。正面の玄関は大通りに面しているわけではなく、一本入った場所にあります。

大きな建物なため目立ちますが、ホテルの看板は小さく目立ちません。おのぼりさん丸出しでロビーを覗き込み、ようやくエースホテルだと確信しチェックインへ。
チェックイン
今回はおなじみのhafhで予約しました。週末でしたが、ポイントで通常よりお得なレートで宿泊ができたのでラッキー。ちなみに差額を支払いアップグレードが出来ないか相談してみると・・・可能でした!この辺りは空き状況によると思うので、希望される方は期待せずに相談してみてください。

↑のリンクから登録すると、お得に宿泊できるコインがもらえますのでぜひ。
ということで、hafhの予約はスタンダードキングでしたが、ヒストリックツイン(Historic Twin)での宿泊です。

館内ではロックやラテンの音楽が絶えず流れ、またインテリアも横文字「カルチャー」を感じる雰囲気。

さすがに稼働は高くないのか、他の宿泊客とはほぼすれ違いません。

今回アサインされた部屋は2階。エレベータを降りた目の前のフロアマップはテキスタイルのもので、なかなかかわいい。ちょっとチープかな?と思わなくもないけれど・・

オープンから2年弱、まだまだ新しいホテルですが建物自体からはかなりの重厚感を感じます。
そう、エースホテル京都は歴史的建造物である旧京都中央電話局を一部保存し、修復した棟と新築棟を融合した新風館内にオープンをしました。今回宿泊したヒストリックツインはその名の通り修復された「保存棟」に位置し、その廊下には等間隔に並んだ木製の柱が合間って壮観。写真左側の窓は新風館の中庭に面しています。

207号室。部屋のサイン含め館内で使用されている力強いフォントは、染色家の柚木沙弥郎さんの作品。90を過ぎても尚現役、そして世界中から注目を浴びるホテルに彩りを与えられる存在は感動すら覚えます。
ルームツアー

部屋に入り向かいにある窓からは烏丸通を見渡すことができます。右手にはデスクを含めたワーキングスペース、左側はソファスペース。

ヒストリックツインの広さは48平米。2人で宿泊しても広々とした部屋です。

個人的に一番気に入ったのがこちら(ゴミと私物を置いてしまっていますが失礼)。デスクスペースは随分と広く使いやすさ満点。ラップトップはもちろん、書類を広げるのにも十分の広さがあります。

コンプリメンタリーのお水は富士ミネラルウォーター。

そして目線を少し右側に移すと、TEACのレコードプレイヤー。5枚ほどレコードが備え付けられており、好きに聴くことができます。スタッフさんにお願いするとたくさんのレコードの中から選ばせてもらえるようで、レコード好きにはたまらないでしょう。
私はレコードの馴染みがないのですが、せっかくなのでトライ。歴史的建造物の中でレコードを聴きゆったりとした時間を過ごす・・なかなかの非日常な時間を過ごすことができました。
ただ機種の問題なのか、この機材だけなのかはわかりませんが、音がかなり曇っていたのが少々気になってしまいました。

レコードプレイヤーのそのまた横にはミニバースペース。ワクワクするお菓子やお酒が置かれています。手に馴染むシノギのカップにスリップウェア、茶筒はSyuro。さすがに開花堂ではなかった。
スナック類を広げられるようなお皿があればいいな〜と思いましたがあいにく見つからなかったため、かわりにお茶碗を使わせてもらいました。

有孔ボードを開くと中には冷蔵庫。失礼ながらしっかりとした品揃えです。ルイロデレールのハーフボトルまであったのはビックリ。

デスクスペースの逆側にソファスペースがあります。柚木沙弥郎氏のパネルに、ファブリックはミナペルホネン。シンプルかつ洗練さを併せ持つブランドとして有名ですが、こちらはエースホテルの別注らしい。丸められたクッションのようなものはソファの背もたれにあたる部分。
うーん、ここのスペースがなんとも使いづらい・・・!せっかくの広々としたスペースなのに腰掛けてもなんだか不安定、横になるにも背もたれが大き過ぎて狭くもったいない。素敵なスペースなのに〜。
これならTHEアメリカ的な奥行きのあるフカフカソファを置いた方が雰囲気にもマッチするし使いやすいんじゃないかな〜。多くのゲストはここに腰掛けて、テレビやレコードを楽しむと思うので・・

ウェットエリアは木製基調で広々とした空間。シンクは2台でちょっとした収納が使いやすい。

アメニティはエースホテルのポリシーで、プラゴミを極限まで削減するスタイル。歯ブラシは木製、歯磨き粉もタブレットと一貫したスタンスです。スキンケアやシェーバーの用意はなし。お願いしたらもらえるのかな?

湯船はブラックタイルでクールな印象。使う方はいいですが、お掃除するのがめちゃくちゃ大変そう・・・なんて無駄に想像力が働いてしまい、使用した後はちょっと念入り目に水を流しました(笑)
アメニティはuka. 東京だとミッドタウンや宮下公園にショップがありますが、京都だとエースホテルのある新風館にショップが入ってました。
洗い場が広々、湯船は深さがありかつ足がしっかりと伸ばせるので、長風呂を楽しむのにぴったりです。

もちろんバストイレは別ですが、個人的に気に入ったのはトイレットペーパーカバー。

SIWAのカバーが使われていました。メーカーの公式では見かけなかったので、きっと特注品だと多います。お部屋にある正方形のティッシュケースカバーも。
トイレットペーパーは立てた状態で使う変わったタイプでした。まだまだ残っていたのに、翌日のルームクリーニングで新しいものに交換されていてちょっともったいないなあと・・。別の場所で再利用されるのでしょうが。

ウェットエリアにもありましたが、トイレにも石鹸とかわいい石鹸置きが用意されています。ラグジュアリーソープと書かれた石鹸は小ぶりなので使い捨て感覚で用意されているのでしょうが、こちらもクリーニングの際に新しいものに交換されていました。新しいものを置いてくれるのは嬉しいですが、使いかけのものをそのまま置いておいてもらえるともっと嬉しいなあと思います。

お部屋にはギターも。

保存棟の客室は2階と3階。眺望はあまり期待できません。どちらもそう変わらない眺めかなと・・・

滞在中は曇り空だったこともあると思いますが、なんとなく私には部屋が暗い印象。照明をつけてももちろん暖色系ですし、そこが気になりました。

玄関まわりにはクローゼットや金庫、姿見。ちょっとした荷物置きにも使える、腰掛けスペースがなかなか便利。
また、壁からニョキッと生えたようなフックは、雑にコートやマスク、バッグを吊るすことができて大変よかった。ちょっとウイルスに見えるのは私だけ?

Don’t disturbはこの箒を外に吊すそうです!ヒップすぎて気づきませんでした!
館内散策

館内にはフィットネス施設もあります。

ベンチプレス等はありませんが、なかなかの広さでそれなりの機材が揃った印象。

ズボラな私にもぴったりなマシンが・・と言いながらも本物のズボラは立っているだけでもしんどいのです。
なんて思いながらフィットネスエリアを物色。特筆するべきは商業ゾーンが気持ちよく眺められる景色。客室に続く廊下からも眺められる景色ですが、なぜかロールスクリーンが下されているためほとんど見られません。フィットネスエリアからは気持ちよく眺められます。なんてことない眺めかもしれませんが、なかなか気持ちのいいものです。


フィットネスにもお手洗い完備。お部屋もそうでしたが、洗面台含め水回りはウッディでとても好みです。

ロビーと客室を繋ぐ通路からは館内のレストランが目に入ります。こちらはPIOPIKO。京都や近県で採れた食材を使用した「イノベーティブ」なタコスバー。

ロビーにはソファ席や作業に適したカウンター席(デスク席?)。おそらく、ロビーに隣接しているストンプタウンコーヒーで注文したら使用できるのでしょう。気軽にホテルを楽しめる空間となっています。

こちらで購入したドーナツが最高に美味しかった!

意外なことに、宴会場もあるようです。クロークは和をカルチャーに昇華させ、ちょっぴり漫画チック。

扉が開かれていたので、ちょっとだけ中に入らせてもらってパシャリ。この雰囲気のホテルで結婚式をあげるのはなかなか面白いかも。招待されたらなかなか楽しめそうな雰囲気。


案内表示は良い藍色。


イタリアンレストラン「MR.MAURICE’S ITALIAN」


広々とした店内、ルーフトップもあるらしい。2泊したうちの1泊の夜はこちらで食事しました。リーズナブルで、とても美味しかったです。お得なコースもあったのでそれをチョイスしました。
スタッフの方は金髪だったりタトゥーが入ってたり、着てる服もバラバラ。規律を重んじる日本人にとっては好き嫌いが分かれるところでしょうが、みなさんとても気を利き、とても気持ちのいい接客。日本も世の流れ的にこういうお店が増えていくでしょう。

映え的なものはお腹いっぱい〜なんて言いながらパシャリ。

プリミティブな植木鉢。素敵だなとまじまじ見てしまいましたが、こういうものは広い空間だからこそ素敵に見えるのですよね〜。猫の額ほどの家に住んでいる私にとっては夢のまた夢です・・・

レセプション周辺にはホテルオリジナルグッズがたくさん!マグやステッカーなどの定番アイテムからアパレルに至るまで、なかなかの品揃えです。購入はしませんでしたが、アパレルの品揃えはホテルと思えないほどの充実具合。

新風館の商業ゾーンには、Cafe Kitsuneやgreen bean to bar CHOCOLATE、1LDK など、最旬なトレンド感を反映したテナントがたくさん。ミニシアターのアップリンクもあるらしい。奥渋のアップリンクが閉館してしまったことを思い出し、ちょっぴり寂しい気持ち。


パークハイアット京都のアメニティに使われているLE LABOのテナントもありました。

夜は念願だった町屋のイタリアン。il cipresso 祇園へ。ホテルから歩いて30分、ちょうど良い距離感でした。

朝食
朝食会場は、メキシカンのPIOPIKOや、イタリアンのMAURICIASではありません。

「エースホテル京都レストラン」という名前はテンポラリーなものだと思いますが、ちょっと投げやりな印象で笑いました。

天井高のあるフロアは他の客席とも十分な距離があり、ゆっくりとした時間を過ごせました。窓からはお庭を眺めることができ、京都に居ることを忘れてしまいます。


thickなカップアンドソーサーで飲むコーヒーは、どことなく無骨な印象。

種がたくさん入ったジャムにバター。プチプチとした種の食感がいいアクセント。

オムレツ。野菜入りのオムレツって久々に食べた。ソーセージはボロニアのように太く、ちょっとしたハムステーキのような感じ。焼きトマトやおいも、全粒粉のパンなど、アメリカの朝食を連想させるようで新鮮でした。ボリュームが多くなりがちなホテルの朝食としては量がちょうどよく、美味しかった!

朝食会場からは屋上庭園でしょうか、外にも出られました。なんてことのないスペースですが、鳥居などもあり。

さてチェックアウト。軽く部屋を片付けて、おじゃましました。2泊しまして、ルームクリーニングにも入っていただきましたが、お部屋の清掃はあったもののシーツの交換はありませんでした。整えてはくれています。
このあたりって「環境への配慮」「コロナ感染予防」みたいな観点で削減されがちなサービスですが、わかりやすくコスト削減だよな〜と。
3,000円のビジネスホテルでも毎日シーツの交換をしていることを考えると、その10倍以上はするであろうホテルのデフォルトがシーツ交換なしというのは個人的には少々残念だなと思ってしまいます。もっと高価格帯のファイブスターのホテルでも稀にありますよね。なんてのは庶民の考えでしょうか・・。でもきっとホテル側にも考えがあってのことだと思います。
もちろん環境配慮のために交換なしを希望された方は和菓子を1つプレゼント!みたいなのがあれば、気持ちよくそれを選択すると思います。考え方が貧乏くさいのは承知です・・・ビジネスホテルだとペットボトルのお水がよくありますね。
おまけ。
ホテルから歩いて10分もかからない場所にある町屋のお店。

正直なところ、せっかくの町家にも関わらず店の前の装飾やポップが雑多でいまいちだな〜というのがファーストインプレッション。
この時は友人の教えてもらったお店を目指し四条河原町へ向かっていたのですが、どうもお腹が空いてしまい個人的に妥協して入店したのです。
この期待値を下げたのがよかったのか、ランチが絶品!

つやっつやのお米に、しっかり目に味の染み込んだおばんざいの相性が抜群。ご飯とお味噌汁はおかわり無料だったので、お願いしました。おばんざい3種盛り合わせのうち1つが普通のサラダだったのには少々戸惑いましたが、それを補って余りあるランチ。
しかも900円って安過ぎて申し訳なくなってしまうお値段・・・感覚的には東京の半額未満なのでは。
お昼を悩んでいるかた、候補の一つにどうぞ。とってもおすすめです!
今回の京都での宿泊はいつもお世話になっているhafhで予約しました。ポイントをうまいこと貯めれば、お得に宿泊ができるのでおすすめです。↓からの登録で、コインがプレゼントされるので興味があればぜひお試しください。

もちろん、一休はじめ各種OTAサイトでも予約は可能です。まん防の間は随分とお得な価格なので、その間は一休で予約するのがいいかもしれません。

たのしい京都旅行でした。