バリ島・新進気鋭の次世代イノベーティブレストラン、Locavore NXT

グルメ

バリへ旅行するにあたり、素敵なレストランを探していた。アマンダリでの食事はその魅力が確約されているが、アクセントになるお店も見つけたかったのだ。

そこで見つけたのが「Locavore NXT」。バリ島とは思えないコースの値段に驚きつつ、どんな素敵な料理が食べられるのかとワクワクしながら予約。何気なく会話に出すと、アマンダリのマネージャーも100%の大絶賛だった。

夕方になりタクシーで向かう。ウブドは渋滞はすごい。目的地までの時間が読めず、暮らすには大変そうだ。

小さな小屋で受付を済ませ、案内を受ける。看板猫のねこちゃんは毛繕いに忙しく、相手をしてくれなかった。

建物の中は天井が高く開放的な空間が広がる。レストランというよりは、洒落たサードウェーブ系のコーヒーショップやバーのような雰囲気だ。

不規則に配置された椅子へ着席。予約の確認の後、ウェルカムドリンクが運ばれてきた。レストランのはずが、食事ができるような座席は見当たらない。

食事のコースはワンコースのみ。ドリンクはアルコールとノンアルコールのペアリングを選べる。私はアルコール、パートナーはノンアルをチョイス。

コースはこの時点で始まっていた。

なんと美しいフィンガーフード!メニューの説明やそのこだわりを知った上で口に入れる体験はとてもわくわくする。スターターを楽しむと、スタッフに先導され、レストランフロアへ・・・

と思ったがどうやら違う。地下に降り立ったのだが、どこは何かしら醸し出される香りが。そう、きのこが栽培されていたのだ。もちろんこの場所で収穫されたものがテーブルに並ぶことになる。

液晶ではLocavoreで使用する食材の情報を得ることができる。

そのそばにはショーケースに入った小さな盆栽かと思ったが、扉が開いた。

なんとこれもコースの一つで、きのこに見立てたフードが用意されていた。

一緒にいただくのはきのこの出汁が出たお茶。とにかく「たのしい」体験が続く。

階段を上り・・・

メインダイニング。

席数は想像よりも多く、モダンな空間。大きな窓からは豊かな自然が眺められる。日没の時間帯は、しっとりとした照明と相まって、雰囲気が増す。

ペアリングのアルコールはワインやビールのようなものはなく、基本的にアラックを使ったカクテル。

ブーケのような美しさ。

キムチ風に和えられたロブスターに、レモングラスのエスプーマ。「発酵」が一つのテーマのようで、発酵させた食材や調理法を用いた料理が多い。キムチもそうだし、味噌もそう。

食事の途中には、ウェイターがキッチンエリアに案内した。

綺麗に整えられたキッチンエリアで、何十人ものシェフがテキパキ働く姿を見ながら、スープをいただく。ストローとして用いられるのは、植物の茎。

熟成された鴨。見た目はステーキのよう。皮はパリパリで、脂分もちょうどよく、食べ応えがあった。

デザート。

コースが終わると場所を移し・・・

最後はレストランショップで好みのチョコレートをピック。ここでお会計だが、ここでしか購入できない素敵なシーズニングやTシャツがあったので購入。Tシャツに至っては3着も買ったくらい、ロカボーレを気に入ってしまった。

訪問前からの期待を大きく上回る経験ができるレストランだった。

環境への配慮や、地元の食材を最大限に活用するコンセプトは一介の観光客としてはとても好ましいし、創造的。伝統的なインドネシア料理の要素を感じつつも現代的な調理は、ナシゴレンやミーゴレンに飽きてしまった人も大満足だろう。シェフが食材や料理について直接説明してくれる表情には「いい意味での」矜持が強く現れていて、インドネシア・バリ島の明るい未来を感じさせてくれた。

バリ島の豊かな自然や文化へのリスペクトを融合した、インタラクティブで洗練された料理を求める方にはぜひオススメできる。

ただ一つ、日本人基準で暑がりな自分でも、レストランは極寒だったので長袖を着ていくことをオススメしたい。