こちらのブログはPart1の続きです。
スイートヴィラから歩いて約5分ほどでしょうか、隣接した場所に「水庭」があります。アートビオトープのコンセプトを象徴する施設であるファームガーデンとして、建築家・石上純也氏によって設計されました。ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞など、多くの受賞歴がある方です。
自然と寄り添い、日頃の喧騒を離れられる場所として、ゆっくりと体験してきました。
敷地から隣接しているものの、向かうには5分ほどかかる距離。というのも、橋を造る予定にしているけれどまだ出来ていないらしく、スイートヴィラからですと一旦坂を降りぐるっと回る必要があります。カートの送迎もご提案頂きましたが、散歩がてら歩いて向かいました。といっても、散歩というレベル以前の近さですが・・・
宿泊客以外は事前予約制の入場、11時と14時にガイド付きツアーを催行しており、スイートヴィラの宿泊者は参加無料。その他アート欲とグルメ欲の両者を満たすことができるレストランμでのランチ付きプランなどもあり。
今回はその時間と重ならなかったからか、のんびりと自分たちのペースで見学することができました。他に見学客が2組ほど居ましたが、敷地がそれなりに広いこともありほとんど貸切状態です。
入るなりすぐに水庭の数々が視界に広がります。まず感じた印象は「木々の重なりがない」。人工的で計算しつくされた空間。
それもそう、伐採される予定だった樹木、それも318本の木々を元の姿のまま移植し作られたのがこの水庭。構想から完成までに4年もの歳月をかけ生み出されたのです。かつて水田だった敷地に水を引き込み作った人工池は160ほど、こけや飛び石も周辺のものを再利用されているそう。
季節に応じて、池の中にはオタマジャクシやアメンボなどさまざまな生き物が観察できます。水の中を眺めているだけで楽しい、そんな時間。
自然の美しさを持つ人工の庭という、特別な空間。苔を傷つけないように、飛び石の上を歩いて進むと、季節の植物が出迎えてくれます。
敷地内にある人工池は160ほど。配管を通して水が循環しているそうですが、あまり動きは感じられず・・。雨の日だと水音や雨粒が作る波紋がリズミカルで、より躍動感を楽しむことができるかもしれません。
人工と自然がせめぎ合う、なんとも不思議な空間でした。
水庭を去った後はレジデンス棟へ。スタッフの方がいたのでお願いして見学をさせていただくことに。
レジデンス棟は長期滞在に適した施設として作られたそう。20室程度に抑えられた施設は、こじんまりとしていながらも、どこか優しい気持ちになれるような、そんな雰囲気を兼ね備えていました。共用部分についていうと、ホテルというよりも、シェアハウスのようなイメージが近いかもしれません。
ガラススタジオや陶芸スタジオで心ゆくまで制作に励んだ後に心を落ち着けるのにちょうどいい空間。
看板犬の名前はトト。保護犬とは思えないほど穏やかに撫でさせてくれる、いい子でした。
Cafe KANTAN
KANTANに隣接されたギャラリーには、スタジオ作家による雑貨や日用品、セレクトグッズが販売されています。スイートヴィラのお部屋にあったアレッポ石けんも販売されていました。
ゆったりとした水庭での時間、レジデンス棟での見学を終えて、スイートヴィラへ戻ってきました。この日は雲がかかっていたものの季節は夏、いい具合に汗もかいています。
実はこの時間、ラウンジで軽いスイーツが頂けるということで楽しみにしていました。
しっかりと冷えたシャンパンにちょっとしたスイーツ、最高の瞬間だったことは言うまでもありません。この時もほかのゲストの方と居合わせることもなかったため、穏やか・平和な空間で、上質な時間な時間を堪能することができました。
その後へ部屋に戻りシャワーを浴びた後、ディナーへ。想像以上に満足度の高い、最高のディナーでした。
レストランではいつものごとくお酒をたくさん飲んだのですが、不思議と朝はとてもすっきりとした目覚めです。ガラス窓から降り注ぐ自然光で目が覚めた後、最初に向かったのはお風呂。森林浴をしながらのバスタイムは至福の時間です。
心地よい川のせせらぎをBGMに、朝食に期待を膨らませる時間・・・
朝食は事前にお願いした時間に届けてもらえました。あまりにお風呂でリラックスしすぎたため、できればセットしてもらいたいな・・・とうっすら考えていたのですが、玄関で朝食セットを渡されるだけであれっ?と正直なところ、ちょっとだけ肩透かし感。
せっかくだから朝食はテラスでいただくことにしました。
バスケットを開けると、フードコンテナが綺麗に敷き詰められています。何一つ自分で準備したわけではないですが、ちょっとしたピクニックのような気分でわくわくします。
せっせと準備し、テラスのテーブルへセット。センスがないながらも頑張ってみました。
でもこれがなかなか大変。食パンは部屋にあるトースターで焼いて、エスプレッソマシンは無いためコーヒー豆をミルで挽いて、お湯を沸かしてそれで淹れて・・となんだかんだで食べるまでに15分くらいはかかったような。
メニューはミネストローネにパン、那須御用卵のゆで卵、フルーツサラダにヨーグルトとシンプルな内容。味付けも全体的に薄味で贅沢な内容ではありませんが、朝食はこのくらいでいいのかもしれません。
最高の景色と相まって、最高に美味しかった!希望を言えば、ソーセージなどのお肉類と、コーヒーポットもあれば嬉しいなと思いました。
お腹いっぱいになった後、再びお風呂につかっているとあっという間にチェックイアウトの時間です。
当初はお高く止まっている雰囲気なのかなと思っていましたが、いい意味で気持ちよく裏切ってくれました。今回の予約は一休経由です。
もちろん高級な施設ですのでラグジュアリーな雰囲気を楽しむこともできますが、アクティブに楽しむ旅行の施設としても、重たい仕事の合間の引きこもりステイとしても、どういう形でも受け入れてくれる、そんな素敵な宿。栃木の素敵な目的地として一度行かれてはいかがでしょうか。
ぜひぜひおすすめです。